メディア展望 2026年7月号 No.775
編集長のひとこと
■巻頭には共同通信経済部の長尾寛副部長が「ホルムズ海峡封鎖の衝撃」と題して行った講演録を掲載しました。トランプ米大統領が始めたイラン攻撃で原油の流通が滞り、全世界が大混乱に陥りました。原油の9割以上を中...
一般社団法人・メディア激動研究所は5月30日、「これからのメディア~AI時代の報道~」をテーマに東京都内で2026春セミナーを開催した。
まず、慶応義塾大学大学院法務研究科教授の山本龍彦氏が「AIとメディア」と題して基調講演した。同氏は、人工知能(AI)とアテンションエコノミーが作り出す世界において、ジャーナリズム...
新聞を先頭に、マスメディアが急速に衰退している。
かつて地方紙は、「地域の広場」だった。朝刊を開けば、地域で何が起きているかが分かった。
祭りがあり、高校野球があり、誰かが表彰され、誰かが亡くなった。
人々は同じ情報を共有し、同じ地域社会を生きていた。だが現在、社会は急速に個人化している。新聞を読ま...
180年の歴史を持ち、ニューヨークに本部を置くAP通信社は、従来の加盟新聞社重視のニュース配信事業から脱却し、デジタルメディア、放送事業者、テクノロジー企業向けのサービスを強化すると、事業活動の方向転換を鮮明にした。情報技術の発達に伴い、人々のニュース情報を入手する方法が大きく変化したことと、紙媒体が衰...
「イランがクウェート・バーレーンにミサイル発射 米は島を攻撃」(毎日新聞デジタル、2026年6月3日配信)
「米中央軍、イランのドローン4機撃墜 レーダー施設も攻撃」(日経新聞電子版、6月6日配信)
イランに対する米国とイスラエルによる攻撃とイランの反撃をめぐるニュースは、2月に戦闘が始まり、戦闘終結の合意...
赴任して間もない昨年秋、現地報道に接して驚いたのは、カンボジアを中心とする特殊詐欺拠点で拘束される人数の多さだった。日本で特殊詐欺と言えば、被害額や防止策を巡るニュースの量が多いように感じていたが、当地では、連日のように当局が拠点に踏み込み、国籍もさまざまな数百人規模の人々が拘束される様子が報じられ...
共同通信の那覇支局は1960年春に米民政府から設置を認められ、10月1日に開設した。時事、朝日、毎日に次ぐ4番手だった。共同社内で外信部、社会部を中心に初代支局長人事が議論されたが候補者が断るなど難航し、9月になって政治部の横田球生に白羽の矢が立つ。横田は主流派になったばかりの池田派担当。政治部記者にとって...
戦後、ほぼ死語となった言葉に「書生」というのがある。篤志家が、主に出身地の若者を自宅に住み込ませて家事や雑事に当たらせ、その間に、高等教育機関に通わせる。若者は学費などを負担しなくともよい。一種の育英制度であった。
アララギ派の歌人として知られ、精神科の医師でもあった斎藤茂吉。山形県・金瓶村(現上山...
アメリカとイランの戦闘が本当に終わるのか。6月18日、終結に向けた覚書が交わされた。「追い込まれ」(16日付毎日朝刊)、「トランプ氏の政治的敗北」(同日付朝日「視点」)とされるが、何回も戦闘終結を公言してきた〝オオカミ少年〟のようなトランプ大統領だけに半信半疑。誕生日にはホワイトハウスで総合格闘技イベントを...
皇室典範改正を巡る動きが加速してきた。これも高市政権誕生効果の一つなのか。翻って天皇制をどう考え、どう報じるか、メディア側の性根も問われる事態になっている。
「お言葉」封じへのメディアの感度
昭和100年記念式典は4月29日に開かれたのだが、その問題点を指摘する記事が共同通信から配信されたのは17日後だった...
6月16日にNTTドコモとWOWOWの資本業務提携が発表された。ドコモはWOWOWの第三者割当増資を引き受け、同社の株式を2・8%保有する有力株主となる一方で、両社で合弁会社を立ち上げて、ドコモが行ってきた動画配信サービス「Lemino(レミノ)」を運営するという。
今回の第三者割当増資後のWOWOWの株式の保有比率で言えば、ドコ...
6月1日から3日まで、フランス南部の港湾都市マルセイユで「世界ニュースメディア大会」が開催された。主催は世界各国の報道機関が加盟する「世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)」(本部パリ、フランクフルト)である。本大会は今年77回目となり、60カ国以上から約1300人のメディア関係者が出席した。筆者は今回参加でき...
サッカーのワールドカップ(W杯)が北中米で開催され、サッカーが4大人気スポーツ(アメフト、バスケットボール、野球、アイスホッケー)ではない米国でも盛り上がりが見られる。しかし、各国の勝敗だけでなく、主催の国際サッカー連盟(FIFA)に対し、「収益を独占している」と金権体質を批判する報道が絶えない。
「米11都市は...
2026年4月から5月にかけて、中国の学術界では、「耿同学」(本名・耿洪偉)を名乗る動画配信者による研究不正の告発が大きな注目を集めた。4月9日、大手動画共有プラットフォーム「Bilibili」で、アカウント「耿同学講故事(「耿さんが語る」の意)」は同済大学生命科学・技術学院の王平元・院長が率いた研究チームが国際的な学...
戦後80年。一口にそう言っても、その中身は多様だ。戦争体験者が100人いれば、100通りの80年がある。
そしてその取材は難航することが多い。私自身、昨年は戦後80年取材の責任者の1人として、元兵士ら「生き証人」に会うため全国各地に飛んだ。ただ記事が出るまでは苦労の連続だった。手紙は数え切れないくらい出したが、...