メディア展望 2026年10月号 No.778

編集長のひとこと
■巻頭には共同通信の松浦基明論説副委員長の講演録を掲載しました。高市早苗首相の人気に支えられて高い内閣支持率を維持してきましたが、稚拙な国会対応や独断専行の政権運営は危うさも抱えています。内閣改造・自...
編集長 一ノ瀬英喜
選挙に併せてボートマッチをやるとしたならば、どういう配慮が必要なのだろうか。そして、やっていけないことは何か?2023年4月の統一地方選に向け、東京都杉並区が住民参加で進めたボートマッチは、直前になって総務省が「公職選挙法違反の疑いがある」と指摘し、中止に追い込まれた。 地方選における若者の極めて低い投票...
2026年の夏も、各メディアで「八月ジャーナリズム」と呼ばれる先の大戦をめぐる集中的な報道が繰り広げられた。ウクライナやイランをめぐる戦争が、核兵器の開発や脅威を現実的なものと意識させる中で、81年前の8月6日、9日に原爆が投下された広島、長崎について多くの報道があった。 同根技術を違う言葉で表現 「原爆 ...
終戦記念日を間近に控えた8月13日、ロシアのプーチン大統領が北方領土の択捉島を初めて訪問した。日本外務省がロシア大使を呼び出して抗議すると、ロシア側も日本大使を呼び出し抗議の応酬になった。20日にはロシア太平洋艦隊が北方領土周辺でミサイル演習を実施し、戦後最悪とされる日ロ関係の冷え込みが一段と深まった。...
NHKのBSがこの8月、スティーブン・スピルバーグ監督の米映画『プライベート・ライアン』を放映していたのを観た。20年ほど前だったかと思う、一度映画館で観たことがある。あまり覚えていなかったが、第2次世界大戦で1944年6月、連合国軍が行ったノルマンディー上陸作戦のシーンは圧巻で、記憶が鮮明に残っていた。 上陸し...
沖縄県知事選が9月13日投開票され、自民党などが推薦した古謝玄太・元那覇市副市長が現職の玉城デニー知事を破って初当選した。14日の地元紙の社説は、沖縄タイムスが「県益守り分断の修復を」、琉球新報が「県民は県政刷新を求めた」と、結果が大差だったこともあってか、比較的冷静な反応。在京紙も全紙が15日社説で取り...
地方議会の〝ムラ社会〟的体質は、なかなか直らないものだ。熊本県八代市議会ドンの逮捕と福岡県議会議長の議員辞職のニュースを聞いたとき、政治とカネ、権力構造に関わる古い体質が残っていることにまたまた気付かされた。地方議会となれば、全国紙以上に地方紙の果たす役割も大きい。 良心眠らせた「天の声」 八代市議...
この8月、第2次安倍政権が肝いりでスタートさせたクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)を統廃合する方向で調整していることが発表された。クールジャパン機構は、2013年にアニメやゲームといったコンテンツや、ファッション、日本食などといった日本独自の文化の海外展開を支援し、海外での販路拡大を目的に、官民ファ...
沖縄県知事選挙が終わった。一部では3選を狙った玉城デニー県知事の敗北は、SNSによる執拗な攻撃が影響したとされる。米国で2026年中間選挙を考える上で、候補者や政党の政策が、有権者にどれほど正確に伝わっているかは重要な焦点となる。有権者がどういった情報環境の中で投票について判断するのかという問題に直結する。...
8月中旬、英BBCがロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」の前編集長で、2021年のノーベル平和賞受賞者ドミトリー・ムラトフ氏のインタビューを放送した。25分弱にわたる動画はNHKでも放送されたが、ロシアによるウクライナへの全面侵攻から5年目に入り、戦争と弾圧のただ中にいるジャーナリストが語った言葉を改めて追っ...
9月1日、国家ラジオテレビ総局(以下は「総局」)が制定した「ショートドラマ発展管理弁法(規則)」(以下は「弁法」)が施行された。中国のショートドラマ分野初の部門規則で、新興メディアとして急成長し、大きな影響を与えるショートドラマが法制度の対象になることを意味している。 ここ数年、ショートドラマはネット時代の...
分断国家の統一とは、どちらかの国家が消滅するということでもある。著者はベトナム共和国(南ベトナム)の首都サイゴン(現ホーチミン)に新聞社の特派員として駐在し、ベトナム戦争の結果、自身の住む国が消滅するさまをジャーナリストの目で観察。自身の取材と北軍参謀総長の回顧録を突き合わせ、当時の南北両政府がどのよう...