■巻頭には共同通信の松浦基明論説副委員長の講演録を掲載しました。高市早苗首相の人気に支えられて高い内閣支持率を維持してきましたが、稚拙な国会対応や独断専行の政権運営は危うさも抱えています。内閣改造・自民党役員人事を断行した首相は「政権の安定と政策の継続性」を強調しましたが、総裁選や首相指名選挙で後押しを受けた麻生太郎副総裁や日本維新の会など各方面への配慮を優先した結果、小幅な人事にとどまり、斬新さに欠ける陣容となりました。一方、中道改革連合は事実上の解党を決定。議員1人を残して今年度分の政党交付金約12億円を満額受給し、総選挙の際の借金を返す方針です。法的に問題はないとしても、これには開いた口がふさがりません。党が空中分解すると古巣の公明党や立憲民主党系の新党に看板を掛け替え、本来なら国庫に返納すべき交付金で借金の返済が許されるのなら、経営者が私財を投じて弁済したり、破産手続きで責任を明確にした民間企業も公金で救済しなければ筋が通りません。自民党の裏金問題を厳しく追及してきたにもかかわらず、国民の批判が耳に届かないようでは、野党の再結集は絵に画いた餅です。日本の政治にとって、自民党に対峙できる健全な野党の存在は欠かせませんが、このままでは「自民党の最大の支持母体は野党」という構図が続くことになります。

■先の沖縄知事選ではSNSによる誹謗中傷が飛び交いました。日進月歩のAIを巡っては、人知を超えて暴走して害悪をもたらす危険があるとする「規制派」と、AI開発を中国の独壇場にしてはならないとの立場に立つ「推進派」が激しい攻防を繰り広げています。海外情報(米国)で津山恵子氏は、AIとSNSのコラボで奇想天外な偽情報が出回りかねない危うさを指摘。AIの功罪を踏まえ、米国で始まった対応策や、メディアがどう向き合うべきか、そして取り組んでいかなければならない課題についてリポートしていただきました。(一ノ瀬英喜)


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