9月1日、国家ラジオテレビ総局(以下は「総局」)が制定した「ショートドラマ発展管理弁法(規則)」(以下は「弁法」)が施行された。中国のショートドラマ分野初の部門規則で、新興メディアとして急成長し、大きな影響を与えるショートドラマが法制度の対象になることを意味している。

ここ数年、ショートドラマはネット時代の重要な大衆文化として成長した。今年2月に国務院新聞弁公(事務)室の定例記者会見で、総局ネット視聴番組管理局の王小亮局長は、2025年に中国で配信されたショートドラマは3万3千本に上り、国内ユーザーは7億人に迫り、市場規模は1千億元(1元=22円、2兆2000億円)を突破して前年の倍になったと明かした。

ショートドラマは制作期間が短く、コストも低く、1本当たりの投資額は数万元から数百万元まで幅広い。このためコンテンツ生産は極めて活発な創作エコシステムを形成している。一方、急成長に伴い、コンテンツの同質化、低俗・猟奇的な内容、著作権侵害や海賊版、誘引型消費といった問題も生まれている。今回の「弁法」はまさにこうした背景の下で策定されたもので、業界に無秩序な拡大からの脱却を促し、ショートドラマの規範化・高品質化を図る方向で健全な発展を推進することを目的としている。

管理と発展を両立させる新規則

「弁法」は全8章54条で、届出・公示、審査・許可、コンテンツ規範、プラットフォームの責任、アルゴリズムのガバナンス、人工知能(AI)の応用、消費者権益の保護、法的責任などを網羅している。ショートドラマとは、1話当たり20分未満で、主題と筋書きが明確、シリーズものとして完結し、人物像が際立ったドラマと定義される。適用範囲は、中華人民共和国の領域内で、ウェブサイト、アプリ、ラジオ、テレビ、ネットテレビ、IPTVなどの放送チャンネル、およびスマートフォン、タブレットなど各種端末を通じて、公衆に向けて配信されるショートドラマとしている。

中核的な措置は、分類・レベル別管理メカニズムの確立である。投資額と題材の属性に基づき、ショートドラマは第1類、第2類、第3類に分けられ、それぞれ異なる届出・審査要件が課される。第1類は投資額が比較的に大きいもの、あるいは政治、軍事、外交、国家安全、統一戦線、民族、宗教、司法、警察などの特殊分野に題材が及ぶもの。第2類は投資額がやや少ない一般題材のもの、第3類は投資額が少ない一般題材のものとされる。留意すべきは、カテゴリーが投資額だけで決まるわけではないという点だ。投資額が少額でも、前述の特殊題材に内容が踏み込んでいれば第1類の管理対象になりかねない。高額投資・特殊題材のショートドラマには、より厳格な承認プロセスが適用される。分類基準は総局が策定し、業界の発展実態に合わせてタイムリーに調整される。

内容面では、「弁法」は憲法の基本原則に反するもの、国家の統一と安全を脅かすもの、民族の憎悪を扇動するもの、歴史虚無主義を宣揚するもの、未成年者の権益を侵害するもの、虚偽情報を流布して暴力・テロを扇動するもの、およびわいせつ・賭博・拝金主義を宣揚するものなどを明確に禁じている。配信プラットフォームは総編集長によるコンテンツ責任制を徹底し、追跡可能な審査責任メカニズムを構築しなければならない。

その一方で、「弁法」は大衆の創作参加や技術革新を明確に奨励し、ショートドラマがあらゆる業界の発展の後押しを支持し、優れた作品の国内外での同時配信を支援することを定めている。

総局発展研究センターの研究員、董瀟瀟氏は「弁法」の題名に「発展」が「管理」の前に置かれている点に注目すべきだと指摘する。「弁法」の施行は業界に「ブレーキをかける」ことではなく、「レールを敷く」ことであり、無秩序の現状を整える一方、優れた作品を支援し、業界が革新と規制の間で、より安定し、より遠くへと歩みを進められるようにすることを目指している、と解説した。(微信公式アカウント「広電時評」2026年9月1日)

主流メディア・大学が相次ぎ参入

ショートドラマは伝統的な娯楽プロダクトの枠を突破しつつあり、コンテンツ・産業・社会をつなぐ新たなメディア形態となりつつある。2025年1月、総局は「ショートドラマ+」行動計画を始動させ、観光、無形文化遺産、法普及など6つの創作方向で、300本の優れた作品を推薦すると発表し、ショートドラマのコンテンツの質向上とともに地域振興にも寄与することを図っている。それに伴い、ある土地の歴史、人文、美食、風景および伝統技芸などの要素を、人物の運命や物語の葛藤と一体に融合させるショートドラマが次々とリリースされている。

近年、主流メディアも積極的にショートドラマ業界に参入している。人民日報のほか、澎湃新聞、浙江日報新聞グループ、重慶日報新聞グループ、羊城晩報新聞グループなど、省・市レベルの新聞社や放送局も相次いでショートドラマをリリースした。こうした動きについて、中央民族大学ジャーナリズム・コミュニケーション学部の郭全中教授は、新聞業界がショートドラマの制作に向いていると評価する。新聞社は長年の取材で膨大なデータを蓄積しており、「リアルな事件、リアルな人物、リアルな地域文化を、共感できるドラマ的物語に仕上げる力を持っている」からだ。また、新聞業界がショートドラマに取り組むことは、伝統メディアから遠ざかりつつある若年層との結び付きを再構築するという戦略的意義を持つと指摘した(「中国新聞出版広電報」2026年8月25日)。

大学もショートドラマ業界の人材ニューズに注目している。中国伝媒大学はショートドラマ関連の「微専攻」(マイクロ専攻。大学が学際的複合型人材の育成を目的とした短期間・小規模のカリキュラム群。学位は授与されないが、その修了証書は就職競争力を高める)を設けた。鄭州工程技術学院も河南省初のショートドラマ学院を設立し、メディア学、演劇・映像学とAI技術との学際的融合を推進し、複合型人材を育成している。

「弁法」の施行を契機に、制作側・配信側・人材育成の各層で産業の土台が整いつつある。法治化の軌道に乗った中国のショートドラマが、コンテンツの質と産業の成熟度をどこまで高められるか、今後も注目していきたい。

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