メディア展望 2026年8月号 No.776

編集長のひとこと
 ■巻頭には北岡伸一東大名誉教授がシンポジウムで行った基調講演の概要を掲載しました。先の大戦の反省から、世界は米国主導で①国連に代表される紛争の平和的解決②自由貿易の堅持─の二つの原則で国際秩序を維持...
編集長 一ノ瀬英喜
すったもんだの末、政府は2026年6月30日、「皇室典範改正案」を閣議決定して国会に提出。7月10日に衆院を通過。17日には参院でも可決し、成立した。女性皇族が結婚後も皇族として皇室に残ることのほか、皇族が旧宮家出身の男系男子を養子に迎えることができるという内容で、特にその「養子」の男子子孫に皇位継承権を持つこ...
長年の夢がかない、今年2月にソウル支局に赴任した。韓国に住むのは、大学生だった2003年に約1年間、交換留学生として滞在して以来のことだ。韓国は「変化の早い国」といわれる。交換留学後も、旅行や出張で何度か韓国を訪れていたが、実際に暮らし始めてみて、20年余り前との違いをさまざまな場面で感じる。 かつては「近...
三代目の三遊亭圓歌は、二つ目の歌奴だった昭和20年代から人気落語家の一人だった。とりわけウケたのは「授業中」という演題で、ドイツの詩人カール・ブッセ作の「山のあなた」(上田敏訳)を朗読する場面だ。 歌奴は吃音を直したいと落語家を志した。この噺では、それを逆手に取り「山のあな、あな、あな」などとどもり、爆...
7月17日、特別国会で「改正」皇室典範と国旗損壊処罰法が成立した。高市早苗首相とすれば、宿願の二つを果たしたつもりだろうが、数の力を借りた強引な国会運営だった。保守の方向にまた進んだ現状を表すには、7月8日付毎日夕刊の吉井理記・オピニオン編集部記者のコラムで、自民党大会で制服自衛官が「君が代」を歌ったこ...
今年7月、自民党・情報通信戦略調査会(野田聖子会長)は、同調査会でこれまで行われてきた放送事業者のROE(自己資本利益率)に関する議論などを踏まえ、総務省に対して、放送事業者の資本政策やガバナンスの在り方を検討するよう要請した。背景には、放送事業者が物言う株主(アクティビスト)から過度な利益追求の圧力を受ける...
サッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会で、アルゼンチン代表対スペイン代表がぶつかり合った決勝戦は7月19日(米時間)、スペインの勝利で終わった。しかし、スポーツの精神と相容れない「事件」が大会期間中、相次いだ。トランプ米大統領は、米国代表チーム選手に対して出されたレッドカードについて、国際サッカー連盟(F...
「グーグルグラス」を覚えているだろうか。2013年、「スマホの次の端末」としてグーグルが市場に投入した製品だ。「メガネ型コンピューター」という位置付けで、レンズ上部の小型ディスプレーに情報を映し出すことができた。「グラス(メガネ)」の形はしていたものの、機械然としており、違和感を覚えた人も多かったのではな...
中国では、伝統メディア離れが深刻になっており、新聞の休刊やテレビチャンネルの削減が常態化している逆風の中で、小・中学生を対象とした「少年報」というジャンルの新聞の創刊ブームが湧き起こっており、注目を集めている。 このブームは昨年下半期から静かに形成され、今年も引き続き熱を帯びている。報じられた情報を...
逮捕イコール犯人ではないというのは、記者であれば誰もが最初にたたき込まれる「常識」だ。しかし、「逮捕」や「起訴」と報じられれば、多くの人はその人が犯人だと思うだろう。インターネットが広く普及した現在、こうした基本的な用語の正確な意味を知っておくことは、根拠のない臆測や陰謀論の拡散を防ぐためにも極めて...