編集長のひとこと
■巻頭にはノンフィクション作家の清武英利氏の講演録を掲載しました。読売新聞社で山一證券の破綻をスクープするなど社会部記者として辣腕を振い、巨人軍の球団代表も務めました。球団経営を巡って読売新聞主筆の渡辺恒雄氏と対立するも、その気骨ある姿勢は揺らぐことなく、今も執筆や講演など幅広く活動されています。講演は自身の〝抵抗〟の半生とともに、記者として悔いのない生き方を模索し続けた経験談や興味深い話が盛りだくさんで、現役の記者にもぜひ読んでいただきたいと思います。
■イラン戦争は3カ月を経過しても解決の糸口すら見えずこう着状態です。時事総合研究所の杉山文彦客員研究員の講演では、イランの体制転換がすぐに可能と、「出口戦略」がないまま、攻撃を決断したトランプ大統領の見通しの甘さが、逆に保守強硬派の下で団結を許したこと。一方で、強気のイラン側も国民の多くは「イスラム体制」を支持しておらず政教一致の強硬姿勢が揺らぎつつある国内情勢を分かりやすく解説しています。
■日進月歩の生成AIですが、既存メディアも技術革新に追い付くのに四苦八苦しているのが現状でしょう。そこで元日経メディアラボ所長の坪田知己氏に「知性構造革命」の起爆剤となっている生成AIの〝現在地〟について執筆していただきました。AI時代にメディアが求められるのは、「自ら問い、判断する人間」を育てること。さらにアテンションエコノミーが過激な言説で社会の〝知性〟を破壊している今こそ、敢然と「良識の拠点」を目指すべきだと強調しています。(一ノ瀬英喜)
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